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トップインタビュー

皆様の生活を豊かにするユーモアな食品を提供し、未来を創る会社へ邁進してまいります。

Q1 社長就任2年目、就任から2024年上半期までを終えての評価をお聞かせください。

2023年6月に代表取締役社長を拝命し、前任の久野修慈会長が築き上げた経営基盤を継承し、新たな成長・発展をもたらすため、先ずはその土台を整えるべく全役職員へ所信表明を行い、自らのマネジメント方針を説明、理解と価値観共有に努め、また幹部社員とともに事業計画、それに基づく人員計画の策定に着手しました。

当社は生活の基本である食を通して広く社会に貢献する会社を目指し、「ユーモアな食品を提供し、未来を創る会社へ」をテーマとして、事業計画においては、砂糖・オリゴ糖事業など既存事業の強化、及びお客様のニーズにお応えする新規事業強化を営業政策の中心に据えております。

砂糖事業においては、高甘味度甘味料などの台頭により、砂糖消費量が年々減少傾向にあります。このような状況でありますが、事業の維持・成長には身体の大事なエネルギー源である砂糖の正しい知識をお客様へお伝えし消費量の減少に歯止めをかけること、また収益基盤を整えていくことが必要であります。その中で、前期は原料高もある中、お取引先様・お客様に深いご理解を頂きながら、適正価格での販売に努めてまいりました結果、一定の収益改善に至りました。引き続き収益基盤を整えるべく、砂糖市場の再活性化にもチャレンジしてまいります。

また、オリゴ糖事業はお腹の調子を整える特定保健用食品(トクホ)「オリゴのおかげ」シリーズが販売30周年を迎えましたが、おかげさまで今もなお、当社代表製品としてご愛顧いただいております。腸内環境を整えることは身体への相乗効果も期待されることから、昨年から美容家IKKO氏をメインキャラクターに起用し、健康意識に加え、美容意識への関心が高い方への販促活動にも取り組むなど、新たな顧客層への販売にも積極的に取り組んでおります。

オリゴ糖市場はコロナ禍を追い風にここ数年、大きく伸張し続けてきましたが、その中で、オリゴ糖に対するお客様のニーズも多様化してまいりました。「オリゴのおかげ」はオリゴ糖製品の中で数少ない特定保健用食品(トクホ)であり、その優れた機能性を広く認知されておりますが、オリゴ糖市場の拡大とともに増加したライトユーザーのニーズにもお応えし、さらなるオリゴ糖事業の成長を図るべく、「さとうきびオリゴ」を新発売いたしました。自然豊かな奄美のさとうきびを原料としたブラウンタイプのフラクトオリゴ糖で、パッケージにも拘り、他社にはないスタイリッシュなデザインに仕上げ、おかげさまでご好評を頂いております。今後とも、「オリゴのおかげ」シリーズとは別のニーズをお持ちのお客様へのアプローチにも注力してまいります。

一方、新規事業につきましては、ビーツ事業の収益化・第3の柱へと成長させるべく、第一弾として発売した『ビーツドリンク』のリニューアルも含め、今後の事業展開について現在検討を進めているところでございます。お客様のニーズを柔軟に取り入れ、工夫改善に努め、ビーツが身体に良いものとして国内で普及すること、そして当社ビーツ製品の売上の伸張につなげることを目指し、引き続き不退転の覚悟で取り組んでまいります。

なお、先ほど申し上げました「砂糖市場の再活性化」という点においては、砂糖の未来を切り拓くべく生活に欠かせない砂糖の新たな価値を提供すべく様々な機能(保水、防腐、酸化防止等)に着目した新商品開発に取り組んでいる状況でございます。こちらも近々皆様にお示しできることと思いますので、今しばらくお待ちいただければ幸いです。

Q2上期の各事業における営業状況を振り返り、今年度見通しをご説明願います。

砂糖事業につきましては、先ほど申し上げましたとおり、昨年より課題に挙げておりました原料高による販売価格への転嫁が、お取引先様やお客様のご理解・ご協力を得て浸透したことから、一定の収支改善に至りました。販売数量としましても業務用製品がインバウンドや観光需要の回復等を要因として好調に推移したことで、第2四半期まで終え、おかげさまで前年を上回るペースで進捗しております。

一方で、4月以降軟調に推移しておりました海外粗糖相場は、9月に入り再び上昇基調に転じており、未だ予断を許さぬ状況が続いております。引き続き、各種動向に注視し、利益確保に向け販売強化並びに適正価格での販売に努めてまいります。

バイオ事業につきましては、主力のオリゴ事業ではコロナ禍を経てオリゴ糖ブームにやや落ち着きがみられる中ではありますが、タレント・美容家のIKKO氏を起用したことで、新たに美容意識の高いユーザーの取り込みに成功し、家庭用を中心に堅調に推移しております。また、大容量タイプの販売が想定以上の販売進捗を示しており、コアユーザーは着実に増えていると感触を得ております。今後はコアユーザーへの継続的な働きかけやライトユーザーをコアユーザーへ取り込むための施策を打ち出していくとともに、『さとうきびオリゴ』の拡販にも尽力していきたいと考えています。

Q3 当社の成長戦略・ストーリーをどのように描かれていますか?

中期的な当社成長戦略につきまして、株主・投資家の皆様にまだお示しできていない状況であることをお詫び申し上げます。現在当社グループの中長期的なあるべき姿について、わかりやすく具体的にお伝えできるよう準備を進めております。

当社は生活に欠かせない基礎的食品である砂糖を基幹事業とし、さらにはオリゴ糖をはじめとした機能性素材等の製造・販売をしております。これらを安全・安心、安定的に供給することで皆様の健康で安全な食生活に貢献し続けることそのものが、サステナブルな当社の事業成長、ひいてはSDGs目標との共鳴・サステナブルな社会の実現につながっていくことと考えております。

主幹事業である砂糖事業は国の制度下にあり、特殊性を有しているとともに海外粗糖相場や為替の影響を大きく受けるため、慎重な分析、複数のプランを想定していく必要がございます。また、砂糖生産においては大規模な設備を有しており、安全安心な製品を安定供給し続けていくためには、適宜適切な設備投資を図っていく必要がございます。こうした点を、わかりやすくお伝えすべく準備を進めておりますので今しばらくお待ち頂けますと幸いです。

一方でお客様のニーズにお応えした新商品開発を進めていくこと、これが当社のさらなる事業成長における鍵であると考えており、積極的に経営資源を投下し、事業拡大に取り組んでいく方針でございます。

事業拡大に向けては、例えば『オリゴのおかげ』シリーズを中心として当社製品のブランド力を高めるため、お客様参加型のWEBコミュニティツールの構築に向け、部署横断的なチーム体制を敷き検討しているところでございます。「オリゴといえば塩水港」の地位確立に向け、一層尽力してまいりたいと存じます。また、新商品開発をはじめ、販促活動や営業強化等各施策を実行していく上では、人的資本の充実が不可欠であります。現在将来を見据えた、人財確保並びに人的体制の整備を着実に進めているところでありますが、こうした点も含め、お示しできるよう準備しております。

さらには、昨年発表しております大東製糖との業務提携の状況につきまして、シナジー創出に向け理想的な協業体制を構築すべく、現在両社部門ごとに具体的な話を進めている状況でございます。両社においては、SDGsの視点に基づく企業価値向上への取り組みも含め、サステナブルな社会の実現に向け協議を進めております。あるいはそれら活動の中で、社会からのニーズにお応えする新規事業・新商品・新分野へのヒントが得られるかもしれません。その貴重な機会を逃さぬよう目的をもって一つ一つ丁寧に取り組んでまいります。

いずれにしましても、研究開発に強みを持つ塩水港精糖と製造加工技術・用途開発に強みをもつ大東製糖、それぞれの特長を活かすことで、サステナブルな製品開発を具現化し、この砂糖業界の裾野を充実させていけると確信しております。

『オリゴのおかげ』の塩水港精糖と含蜜糖のトップシェア企業である大東製糖は、これからもユーモアな食品を提供し、未来を創る会社へ共に邁進してまいります。

Q4 最後に株主・投資家の皆様へメッセージをお願いいたします。

改めまして株主の皆様におかれましては、日頃より、当社グループの事業活動・企業活動に格別のご理解、ご支援を賜り、厚く御礼申し上げます。

当社は株主・投資家の皆様との長期的な関係づくりといたしまして、安定した配当を実施すること、及び株主様ご優待品として当社製品をお届けすることで、事業へのご理解をいただけるよう、それぞれ毎年実施させていただいております。

また、本年は長期保有優遇制度を新設いたしました。これは、株主様へ実施したアンケート等を通じてたくさんのお声を頂いたこと、また当社並びに当社製品を長く見守っていただける株主様に当社株式を保有頂きたいとの思いからであります。今後とも株主総会でのご意見やアンケート等を通じて株主様とコミュニケーションを図り、IR活動に活かしていきたいと考えております。

最後に、本年当社は台湾での創業から120年を迎えました。これもひとえに、株主様を始め、お客様、お取引先様、協力会社様等、あらゆるステークホルダーの皆様からの温かいご支援とご厚誼の賜物と深く感謝申し上げます。

創業当時、台湾は日本の統治下にあり経済発展の礎を築くべくさまざまな政策が打ち出された時代ですが、その中心となって政策遂行に大きな役割を果たしたのが後藤新平氏でした。当社は後藤新平氏による砂糖産業振興の中で、台湾鹽水港庁岸内庄えんすいこうちょうがんないしょうに創立され、鹽水港製糖えんすいこうせいとうと名づけられた経緯があります。今後とも当社はこの歴史ある社名を大切に、そして社員ひとりひとりがその開拓精神を引き継ぎ、次の時代へ新たな飛躍を目指してまいります。

今後とも当社はこの歴史ある社名を大切に、そして社員ひとりひとりがその開拓精神を引き継ぎ、次の時代へ新たな飛躍を目指してまいります。

株主・投資家の皆様におかれましては、引き続き深いご理解、ご支援を賜りますようお願い申し上げます。