ビーツに含まれる栄養素としては、必須ミネラルの「カリウム」や「鉄」のほか、「葉酸」、「ベタイン」が挙げられます。カリウムはナトリウムを排出して血圧を下げる作用、鉄は酸素を全身に供給する働きがあることで、それぞれよく知られていますね。葉酸はDNA の合成などにかかわるビタミンで、妊娠・授乳期の女性にはとくに必要とされています。ベタインはあまり聞き慣れない栄養素ですが、肌や髪の健康にかかわるアミノ酸の一種です。
ポリフェノールは、強力な「抗酸化」作用をもつことで知られています。抗酸化物質は、活性酸素の産出を抑えたり傷ついた細胞のダメージを修復したりする物質のことで、ポリフェノールもそのひとつです。ビーツのポリフェノールであるベタシアニンという色素は、その抗酸化力の高さで注目されています。
ポリフェノールは、植物に含まれる色素や渋み、苦味、香りなどの成分を指す「ファイトケミカル」の一種です。ファイトケミカルは、免疫力の増強や老化の抑制といった生体の調節機能にかかわり、健康の維持に大切な栄養素です。
「硝酸イオン」は1つの窒素原子と3つの酸素原子からなりたちます。窒素はアミノ酸を合成するため、植物の成長に不可欠なものです。硝酸イオンをもつ塩「硝酸塩」は土壌中に存在しており、植物に自然に吸収されて窒素からアミノ酸を合成しますが、一部は硝酸塩のまま植物に蓄積されます。ホウレンソウやサラダ菜などは硝酸塩が多く含まれる野菜として知られていますが、じつはビーツにも豊富に含まれています。
野菜に含まれる硝酸塩は、人間の体に入ると硝酸イオンとなり、口の中の細菌によって一酸化窒素(NO)に変換されます。一酸化窒素は、血管にいきわたると血管の中膜「血管平滑筋」を緩めることがわかっており、これによって血管が広がり、血圧の降下につながります。
ビーツの摂取による
スポーツパフォーマンス向上メカニズム
血管が広がると、血流の改善によって酸素供給能力が向上することから、スポーツ界ではパフォーマンスの向上を目的に、硝酸イオンを豊富に含むビーツが積極的に取り入れられているそうです。ほかにも、冷え性の予防やむくみの改善のほか、認知症の予防への効果が期待され、こうした関心の高まりに伴い、ビーツに注目が集まっています。
鮮やかな赤紫色の野菜「ビーツ」。赤カブのよ うな姿ですが、砂糖の原料になる「テンサイ」と同じ、ヒユ科の野菜です。
現在ビーツは主にオランダ、オーストラリア、ニュージーランドなどで生産され、ヨーロッパやアメリカでは日常的に食べられています
ビーツには、テンサイと同様にショ糖が含まれているので甘味があります。
生のビーツは、皮をむいてスライスしたものをサラダに加えたり、酢漬けにしたりして食べます。ただしビーツには「ジオスミン(ゲオスミン)」という土のにおいのする成分が含まれているため、生の場合は土臭さを感じることもあるかもしれません。この分子は酸によって分解されるため、酢やレモンなどの調味料と合わせることで土臭さが抑えられます。
「ビーツ」は紀元前1000年頃から栽培され、その栄養価の高さからヨーロッパでは薬用として利用されていました。食用として広まったのは中世頃で日本にも江戸時代に伝えられたという記録が残っていますが、当時の日本の食文化には馴染めずに定着はしなかったと言われています。
そんなビーツが今、日本で注目されています。
日本では輸入の缶詰や水煮パックで流通することが多かったのですが、近年は国内でも栽培が広まり、北海道や長野県などが生産地となって、旬の6~7月と11~12月を中心に生のビーツも出回るようになりました。
ビーツは〝調理しにくい〟〝購入しにくい〟
との多くの声から
毎日摂取しやすい「ビーツ商品」を開発し
ました。
内容量:25g入り
参考価格:540円(税込み)
毎日手軽に取り入れやすいように
チップにしました。
かけるだけ、
まぜるだけで
いつもの料理に真っ赤なビーツの
栄養を手軽にプラスできます。
内容量25g入り(生ビーツ約450g相当)
ビーツをダイス状にカットして
ドライにしました。
栄養プラスで食卓も華やかに
ドライビーツチップは、
北海道の南幌町と遠軽町で生産・収穫
されたビーツのみ。
※ビーツドレッシング、ビーツマヨ、ビーツアイスクリーム、ビーツドリンクは
一部オーストラリア産のビーツを使用しています。
ビーツ料理の第一人者、荻野 恭子先生に
ビーツチップを使ったレシピをご考案いただきました。
世界の料理研究家・栄養士
荻野 恭子 先生
Kyoko Ogino プロフィール
東京生まれ。1974年よりロシアを含むユーラシア大陸等65ヵ国以上を訪れ、現地の家庭で料理を習い、食文化の研究を続ける。自宅にて「サロン・ド・キュイジーヌ」を主宰。天然生活の本「ビーツ、私のふだん料理」(扶桑社より)他著書多数。